一生懸命働くことは神の御心に従っているということなのか

    2018年 09月 21日

    寄稿家:チェンヤン

    春雨の降り続く日、ヂャオ・シュンは飛行機で中国からアメリカへと出発しました。飛行機はニューヨークの空港に着陸しました。ヂャオ・シュンが荷物を持って空港のターミナルを出ようとしていた時、後ろから聞き覚えのある声が聞こえました。

    「あれ、ヂャオ・シュン兄弟じゃないですか?」スーツ姿の中年男性がヂャオ・シュンのところにやってきました。

    ヂャオ・シュンは興奮した様子で言いました。「ああ、ジム兄弟!アメリカで会うなんて、奇遇ですね」

    そして二人は車の中に座って話しました。ジムは言いました。「時間が経つのは早いなあ!2年があっという間に過ぎてしまったね。中国で宣教していたんじゃないのですか?どうしてこちらに?」

    「残念ながら、中国は無神論の国ですから。中国共産党政府は宗教の信仰を抑圧して、迫害するし、三自教会にさえ危害が及んでいます。中国共産党政府は、私が神の信者であることを知ったから、私を逮捕しようとしてどこまでも追いかけてきました。中国共産党から逃れて最後まで主に従っていくためには、全てを捨ててここに来るしかなかったんです」。

    「そうだったんですか。主に従うにあたって苦しむ意志をもたないと、前進していくのは困難になりますね。全てを捨ててここまで来るなんて、本当に強い信念をお持ちですね」。

    「主に感謝します!今日、私たちが苦しむことには意味があるんです。今、私たちは主のために労力を費やし、一生懸命に働いています。だから、主が再臨される時には天国に引き上げていただけるはずです」。

    ジムは一瞬考えてから深刻な口調で言いました。「兄弟、労力を費やして一生懸命に働いてさえいれば、私たちは天国に入れると言われましたが、私も以前はそう思っていたんですよ。でも、それから聖書の学習をしていた時、主イエスのこの言葉を目にしたんです。『わたしにむかって「主よ、主よ」と言う者が、みな天国にはいるのではなく、ただ、天にいますわが父の御旨を行う者だけが、はいるのである』(マタイによる福音書7:21)。私はこの言葉を読んで自分の考えに確信が持てなくなったんです。主は神の御心に従う者だけが天国に入れるとはっきり言っておられますが、主のために全てを犠牲にして、一生懸命に働いてさえいれば天国に入れるとは言っておられません」。

    ヂャオ・シュンは困惑して言いました。「確かに、主はそう言われてはいません。しかし、私は長年に渡って嵐や雨の中でも主のために布教活動をし、主の信者たちを牧養してきました。福音を説いていることを理由に、中国共産党に逮捕され迫害される危険に遭いながらも、ひるむことなく主に従ってきました。これは神の御心に従っているということではないのですか?」

    一生懸命働く,神の御心に従う,天国に入れる

    ジムは温かい口調で言いました。「兄弟、主を信仰して福音を説いていることを理由に中国共産党に逮捕されて迫害される危険に直面する時、それに苦しみ耐える意志を持つことは正しいのですが、主のために苦しみ、労力を費やし、一生懸命に働くことが神の御心に従っているとは言えません。私たちが神の御心に従っているかどうかの判断は、私たちの行動の意図、それが主に認められているかどうか、そしてそれが主の要件に沿っているかどうか等に基づいていなければならないんです。こういった条件を理解していないと、私たちの信仰は想像上の観念に過ぎないということになってしまいます。主イエスは一度こう仰いました。『その日には、多くの者が、わたしにむかって「主よ、主よ、わたしたちはあなたの名によって預言したではありませんか。また、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって多くの力あるわざを行ったではありませんか」と言うであろう。そのとき、わたしは彼らにはっきり、こう言おう、「あなたがたを全く知らない。不法を働く者どもよ、行ってしまえ」』(マタイによる福音書7:22-23)。この主の言葉に応じて、私たちは、長年に渡って宣教して働いてきた者たちがどうして最後に主から悪人として非難されてしまうのかを考えなければいけません。これより、彼らはそれぞれの動機と目的を持ちながら、表面的には犠牲を払って一生懸命に働いていたけれども、神の道には従ってなかったことが分かります。例えば、古代のパリサイ人は宣教して働くために海と大陸を横断し、神のために一生を費やし、たくさん苦しみにも耐えました。それにもかかわらず、主イエスは、彼らのことを偽善者である上に災いであると言って、彼らを非難し呪われました。これは、彼らの放棄と労力の費やしに神との取引や個人的な動機が伴っていたからです。彼らはこういったことを祝福と報いを得るため、そしてそれぞれの地位と仕事を維持するために行っていただけで、真の心をもって神を満足させるためではなかったのです。主イエスが働きと説教をしに来られた時、彼らは主の働きを受け入れることも、ユダヤの民を神の前に導くこともしなかっただけでなく、ユダヤの民を先導して主イエスを狂信的に非難そして抵抗させたのです。彼らは主イエスに対する偽証までしました。彼らの行いは、その全てが主の道に対する裏切りであり、彼らは主イエスを敵扱いしたのです。これ故に、主は、彼らのことを偽善者で災いであると言って、彼らを非難されたのです。パリサイ人の例から、一生懸命に働くことは必ずしも神の御心に従っているというわけではないことが分かります。大切なのは、私たちの個人的な動機や目的が何であるかを知ることなんです」。

    「ジム兄弟、あなたの言ったことはとても実践的です。私は自分が一生懸命に働く動機や、その目的を調べることには注意していませんでした。私は、表面的には他の人たちよりも苦しんで、働いているように見えるだろうし、そうやって一生懸命に働いて努力することは、神の御心に適っているだろうとしか思っていませんでした。主は私のことを見ていてくださり、そして再臨なさる時には間違いなく私を天国に引き上げてくださると信じていました。でも、どうやら自分の追求と理解には欠陥があるようです。ジム兄弟、あなたと最後に会ってからたったの2年しか経っていませんが、主を信仰することについてたくさん学ばれたようですね。聖書の勉強をたくさんなさったのではないですか?」

    「私がこうやって少し教示できるようになった理由は、聖書の勉強に力を入れたことよりも、むしろそれは主の啓示と指導があったおかげなんです。それに、私は頻繁に福音ウェブサイトで記事を読んだり、福音映画を見ています。そうやってたくさん真理を理解したんです。後でリンクを送ってあげますよ。」

    ヂャオ・シュンはこれに驚き、興奮した口調で言いました。「ああ、なるほど!主に感謝します!ならば、神の御心に従うことがどういうことかは分かりましたか?私はこの疑問が重荷になっているから、答えが分かるまで落ち着けそうにないですよ」。

    ジムは続けて言いました。「神の御心に従うということは、神の道、神の言葉、そして神が表す真理の全て、すなわち、神が私たち人類から求めておられることに従うということです。私たちは神がお求めになること全てを行って、神の指示に厳密に従い続ける必要があります。これ故に、神の御心に従うということは、幾つかの言葉を実践するだけではなくて、真理をたくさんの側面から実践するということなんです。私が福音ウェブサイトで目にした節を読んであげますよ。『何時の時代においても、神はこの世で業を行う時、真理を伝える言葉を人間に与える。こうした真理は、人間が守るべき道、通るべき道、神を畏れ、悪を避けられるようにする道、生活や人生の旅路の中で実践し、そして遵守すべき道として機能する。これが、神がこれらの言葉を与える理由である。神に由来するこれらの言葉は、人間が守るべきものであり、人間にとって、それを守ることはいのちを授かることを意味する』(『神の性質と神の業の結果を知る方法』より)。これらの言葉から、神が各時代の働きの中で仰せられる言葉は私たちに対する要件であって、私たちが歩むべき道であることが分かります。例えば、律法の時代では、人々は十戒に従って安息日を守る必要がありました。恵みの時代では、主イエスが贖いの働きをされた時、私たちは主の戒律に従い、主の言葉通りに体験し実践する必要がありました。私たちは神が用意してくださる全ての人々、物事、出来事、そして神が造ってくださる全ての状況を受け入れ、それらに従うことを学ぶ必要があります。試練や苦難に遭遇するときには、神の証を立てようとしなくてはなりません。そうすれば、私たちは神を愛して神の御心に従う人々になるんです。主イエスは私たちに『心をつくし、精神をつくし、思いをつくして、主なるあなたの神を愛せよ』(マタイによる福音書22:37)と求められました。だからこそ、私たちはどうやって心、魂、思いを尽くして神を愛するのか、そのようにして働きの過程で神を満足させ、神に従うのかを考える必要があるんです。全てにおいて真理を求め、利己的な汚れと野心を持たずに神の御心に従いながら振る舞うということが、神の御心を行うということなんです。アブラハムを例にとってみましょう。神が彼にイサクを捧げるよう求められた時、彼は愛する一人息子を神にお返しようという誠実な気持ちで神の言葉に従いました。彼の絶対的な従順が功を喫し、神は彼の子孫が偉大な国家になるよう祝福されました。もう1つの例として、ぺテロは主のために一生懸命に努力して、働きながら、イエス様に従って一生を過ごしました。彼は主の御心と要件に厳密に従いながら教会を牧養しました。そして、彼は死ぬまで神に従い、神を極限まで愛することができたのです。この2人は神に従い、神を崇めました。このような人々こそ、心から父なる神の御心を行う人々なんです。

    ヂャオ・シュンはこれに聞き入っていました。そして、彼は興奮した口調で言いました。「なるほど、あなたの話を聞いて初めて理解出来ました。神の御心に従うということは、神の言葉全てに従って、要望や要求を持たずに神の言葉通りに振る舞って、神を喜ばせるためにできることを全て行うということなんですね」。

    ジムは続けて言いました。「そうです、彼らと比べると、私たちは神の御心に全く従えていません。私たちは依然として、取引することをねらったり、汚れた心、動機、そして目的をたくさん持ちながら行動しています。私自身を例に挙げます。私は信者になってもう何年も経ちますが、説教をする際には、人から尊敬されようとして自己顕示したり、自分の証言をしてしまうことが未だにあります。自分は主のためにたくさん働きをこなしたと思うと、将来義の冠を授かることを期待して神に祝福を請いたくなることもあります。私は一生懸命に働いていても、主の言葉を実践できていなんです。だから、私が神の御心に従う人とみなされるはずがないんです」。

    これに共鳴したヂャオ・シュンは頷いて言いました。「あなたの言う通りです。私は長年に渡って主を信仰してきましたが、ただ表面的に働き、苦しむことばかりに集中して、主の要件に従いながら主の言葉を実践することには集中していませんでした。神に感謝します!今日、あなたの話を聞いて、本当にたくさん勉強になりました。犠牲を払って一生懸命に働くことが神の御心に従っているということではないと明確に理解できました。それに、私たちが天国に入る上で神がお求めになる基準、すなわち、神の御心に従うということについても少し理解できました。ジム兄弟、今日あなたと偶然会ってこの話しが聞けたのは、神のお気遣いがあったおかげですよ」。

    窓の外は晴れていましたが、ヂャオ・シュンとジムはまだ車の中で喋っていました…

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